確定申告の時期になりましたね。
確定申告とは、その年の1月1日~12月31日の1年間で税額を計算します。
本人又は本人と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が一定額を超えるとき。
確定申告でその医療費控除の対象額について所得控除を受けることができます。
これを医療費控除と言います。
ただ、入院などの場合で月をまたいだり、年末年始で年をまたいだりする場合は、確定申告はどうしたらよいのでしょうか?
月またぎの高額療養費と医療費控除や年末年始を年またぎで入院した場合の確定申告の仕方について説明します。
医療費控除は入院が月またぎになるとき高額療養費にも注意
ひと月の医療費は、1日から30日か31日(2月は28か29日)にかかった費用で、ひと月単位で計算されるので、通常は月毎に医療費を支払います。
高額療養費制度
そして、ひと月の医療費が自己負担額(年齢や所得に応じて異なる)を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度として高額療養費制度があります。
その高額療養費制度には、月またぎになると使えないケースがでる場合があるのです。
例えば5月に20日間入院して医療費が15万円かかった場合、5月中に入退院すると5月の医療費は15万円です。
しかし、5月の後半から10日間入院、そのまま6月の頭に10日入院して6月10日に退院すると、5月の医療費が7万5000円、6月の医療費も7万5000円になります。
そのため、高額療養費の限度額が約8万円の場合、5月に入退院すると15万円-8万円=7万円(わかりやすく概略です)の払い戻しがあります。
それが5月と6月に月またぎする(月をまたぐ)と、5月も6月も自己負担額以内なので、払い戻しはないということになります。
同じ月内の支払いと月またぎの支払いで、7万円の差があるというものです。
このように、月またぎになると、高額療養費制度が使えないことがあるので、要注意が必要です。
医療費控除は年末の入院で年またぎの場合の支払いの注意点
入院したときに年内に治療を受けた医療費を、年を明けてから支払うことはよくあると思います。
医療費控除は、年内に支払った実際の医療費が控除の対象なので、年内に治療を受けたとしても、支払ったのが翌年の場合は、医療費控除に該当しません。
年をまたぐ場合は、最初に入院をした日付のある年(前年)に医療費が多くかかっている場合と、退院する年(翌年)に医療費の支払いが多くなる予想がつく場合で異なります。
年内に受けた治療費や入院費が、その年の内に明らかに医療費控除が受けられそうな場合は年内に一旦清算して支払った方が得策です。
そういった場合は医療費控除を多く受けられる場合があるので、年内清算をおすすめします。
翌年も、医療費を多く支払うことになりそう(通院や入院予定)な場合、高額療養費との兼ね合いも考慮して年を越して精算できるか確認が必要です。
確定申告の医療費控除は入院の対象金額具体例は?
入院に伴う一般的な費用が、全て医療費控除の対象となるわけではありません。
医療費控除対象になる具体例
医療費控除の対象となるのは・・・
・入院通院時にかかった診察代、投薬代、注射代、手術代などの治療費
・入院患者の食費
・介添人を頼んだときの介添料
・出産の分娩費用、医師の指示により購入した水枕、氷のう
・おむつ代(医師発行のおむつ使用証明書が必要)
・入退院時の交通費(公共交通機関対象)などです。
医療費控除の対象にならない具体例
医療費控除の対象とならないのは・・・
・入院時の寝間着や洗面具
・医師や看護師へのお礼
・本人や家族の都合による個室の差額ベッド代
・病院で支給される食事以外の食事(外食、出前など)
・テレビ代・冷蔵庫代
・入退院時のタクシー代金や自家用車のガソリン代
・診断書
・散髪代などです。
まとめ
月またぎや年またぎは、条件によっては医療費控除が不利になることがあるようですね。
入退院は患者がどうこうできるものではありませんが、タイミングによっては、医療費控除額に差がでるのを覚えておきましょう。