夏かぜの一つと言われるヘルパンギーナの患者が、国内37都道府県で増加しています。
1医療機関当たりの患者報告数が最も多い三重県の場合、四日市保健所管内で警報基準値6.0人の2倍以上の12.9人、山口県では防府で8.0人、宇部で6.13人が罹患したという報告がありました。
今後も患者が増えることが予想され、いつ自分の周りでも流行するかもしれません。
またヘルパンギーナと同じような病症に夏かぜに手足口病がありますが、小さなお子さんがいる家庭では、ちょっと心配になりますよね。
その似ているというヘルパンギーナと手足口病の見分け方、治療方法などをご紹介します。
ヘルパンギーナと手足口病の見分け方
ヘルパンギーナ
症状
口腔の粘膜に水疱性の発疹、38~39℃の発熱を伴う、のどの痛みで飲み物を飲めず脱水症状を起こすこともあります
潜伏期間
2~4日 流行期間・・・6月~8月
原因
コクサッキーウイルスA群など
発症年齢
主に1歳~4歳以下の乳幼児
手足口病
症状
口腔、手、足、指に水疱性の発疹、発熱することもあるが2/3は発熱を伴わない、のどの痛みで飲み物を飲めず脱水症状を起こすこともあります。
潜伏期間
3~5日 流行期間・・・6月~8月、7月がピーク
原因
コクサッキーウイルスA16など
発症年齢
主に2歳以下の乳幼児
この二つの病症はとても良く似ていて、水疱性の発疹が口腔だけにできるか、口腔以外の部分にもできるかというのが、ヘルパンギーナと手足口病の見分け方になります。
ヘルパンギーナと手足口病の診断と治療法は
春から夏にかけて、乳幼児がのどの痛みや発熱の病症で病院を受診することが多く、ヘルパンギーナと診断されることがあります。
しかし、初めはヘルパンギーナと診断されても、その後、発熱以外に口や手足に発疹が拡がり、手足口病に訂正されることもあります。
そのぐらい二つの病症は似ているということです。
また感染者からの分泌物や便から出たウイルスが、飛沫、接触、経口によって他の人に感染することが感染経路となっているというのも一緒ですね。
治療法として、この二つの病症を治療する特別な治療法はなく、口内炎には鎮痛薬、手足の発疹には軟膏などの症状を和らげる対症療法しかありません。
そのため対症療法で痛みを和らげながら、5日間ほど経つと自然に治ります。
少しの辛抱ですが、脱水症状には気をつけましょう。
ヘルパンギーナや手足口病は大人もうつるため予防しよう
二つの病症はともに乳幼児がかかるので、両親やそのほかの大人が面倒をみることになります。
そのため感染するリスクは高く、感染すると乳幼児より大人のほうに症状が重く出ることが多いというのが特徴です。
大人がヘルパンギーナで重症になると脳炎、髄膜炎、心筋炎などを誘発することがあるので、注意してくださいね。
手足口病の場合は、足裏や手足など発症した場所に痛みが出て、ひどい時には歩けなくなり、倦怠感や関節炎、筋肉痛などの症状がでることがあります。
もし親子でこれらの病症に感染すると、家庭内も大変なことになってしまいますよね。
そのため、感染した子供の看病する時に親や大人が感染しないように、予防することが必要です。
予防方法には、主に次の方法があります。
・看病する時は必ずマスクをする
・看病する人は睡眠をしっかりとるようにして、免疫力を高めます
・汚れた衣服は、すぐに洗濯をする
・感染者との密接な接触は避ける
・おむつ交換の後も、手洗い、手指の消毒をする
・近所で流行しているときは、オモチャの貸し借りに注意する。オモチャを洗浄、清拭する
まとめ
周りに感染している乳幼児がいないからといって、安心してはいけませんよ。
通勤や外出時の交通機関の中でも、間接的に大人から感染することもあるので、油断しないようにしましょう。
極端に人を避けるとか、過度な予防方法をすることはありませんが、日常生活で無理なくできる手洗い、消毒、マスクは必ず行うことをおすすめします。