突然の手術や入院で多額の支払いをしてしまったときに、嬉しい税制の一つとしてあるのが医療費控除です。
しかし、任意で加入している保険会社から給付金等を受け取った場合、その金額を差し引いて、申告しなくてはいけないものなのか?
それとも隠しておいてもばれないのか?そんな疑問が頭をよぎってしまう方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、医療費控除のしくみや申請の仕方について紹介します。
医療費控除で保険金のほうが多いのはばれない?
せっかく受け取った保険会社からの保険金や給付金等は、どうせなら医療費控除に計上しないでおこづかいのように受け取ってしまいたい・・・というのが本音ですよね。
しかし、これも立派な脱税の一つなんですよ。
テレビのニュースで、どこかの社長さんが脱税で逮捕などという報道を一度は目にしたことがあるでしょう。
お金のある人だけの話かと思われがちですが、実は私たちの身近にひそんでいることも。
たくさんの人が保険に加入し、保険金を受け取っているので、自分一人くらいばれないだろうと思っている方も多いでしょう。
しかし、保険会社が保険金を支払った場合、金額によっては税務署にきちんと報告されています。
申請内容を確認している中で、不審な点があったなら、金融機関や保険会社に照会されてしまう可能性があります。
医療費控除の申請には、常に抜き打ち検査がつきものだと思っておいたほうがいいでしょう。
医療費控除の保険金受け取りの調査はどうなる?
医療費控除を申請すると、税務署の調査官が申請書を確認し、必要があれば追加の資料を提出しなくてはいけない場合もあります。
確定申告書を作成する中でも、生命保険控除を受けつつも、医療費控除の申請で保険金の控除を適用していないと調査官は疑問に思うでしょう。
また、税務署から実際に保険会社に保険金支払いについて問い合わせがあったということも。
それでばれてしまった場合、脱税と見なされてしまうので、そうならないように申請はしっかりとしておいたほうが安心できますよ。
医療費控除の保険金の方が多いときの書き方
医療費控除の計算式を今一度確認してみましょう。
医療費控除の計算は、『実際に支払った医療費-保険金などの補填分-10万円』になります。
つまり、支払った金額より保険金の方が多くなったり、控除の対象額が10万円以下になったりした場合、申告できる金額ではないということになります。
ただし、保険金などの補填分というのは、その保険の対象の医療費のみから差し引くものなので、すべての医療費を合計して差し引くものではありません。
例えば、胃の手術をして10万円かかり、そのほかにもケガで通院し3万円かかったします。
加入していた医療保険から胃の手術に対し、保険給付金がおりて5万円の補填があった場合、胃の手術の10万円-5万円=5万円になります。
それに、ケガの3万円を足した8万円の金額が10万円をこえたかこえていないかで医療費控除を申請できるかどうかが決まるということなのです。
まとめ
高額療養費などの制度もあるため、なかなか10万円の医療費を払うほど病院通いをすることもないとは思います。
でも、一度ケガや病気をして病院にかかるとあっという間にその壁をこえてしまうこともあります。
そんな時に、少しでもお金が戻ってきてくれるなら、とてもありがたいですよね。
ぜひ、しくみを理解してうまく制度を活用してみましょう。