民間に勤めている人も公務員の人も、将来のためにそれぞれ年金に加入していますよね。
でも民間と公務員では、加入している年金が異なるため、公務員の方が支給される年金額の方が高いということを知っていますか?
これは民間から公務員に転職してもそうなのですが、会社員が加入する厚生年金と公務員が加入する共済年金とにちょっとした差があるからなのです。
その年金が高い理由と、民間の時に持っていた年金手帳の扱い方について解説いたします。
民間から公務員に転職すると年金はどうなる?
平成27年9月までは、1階の国民年金を共通制度として、2階(基礎年金の上乗せ部分)は民間が厚生年金、公務員は共済年金でした。
平成27年10月に年金制度が改正され、公務員も厚生年金に加入することになり、2階部分の年金は厚生年金に一本化されました。
そして、公務員の保険料も引き上げられ、厚生年金の保険料(上限18.3%)に統一され、民間と公務員の官民格差を解消するとして、民間と同一保険料、同一給付することになりました。
現在では民間から公務員に転職しても、厚生年金に加入することになります。
公務員の年金が高い理由と種類の違い
以前の共済年金は職域加算という制度があったので、民間より年金額は多くなっており、官民格差があるとの指摘を受けていました。
そのため、平成27年10月から共済年金も厚生年金に一本化され、職域加算は廃止になりましが、その代わり「年金払い退職給付」という制度が始まりました。
概略ですが職域加算と年金払い退職給付の種類の違いを「標準報酬月額36万円、共済年金40年加入」を例として説明します。
以前の職域加算分は年金月額約2万円で終身年金だったものが、年金払い退職給付では年金月額約1.8万円で、有期(10年か20年を選択)半分、終身年金が半分になります。
支給額は少し下がりますが、民間の厚生年金と比較すると、結果として年金は高くなります。
公務員に転職するときの年金手帳の扱い方
民間の厚生年金に加入している人は、年金手帳が発行されていますが、公務員は元々共済年金だったので基礎年金番号通知書だけで年金手帳は発行されません。
民間時代に持っている年金手帳が平成9年1月以降の物であれば、それまで加入していた全ての公的年金を統一した基礎年金番号になっています。
実際にはこの基礎年金番号で年金の手続きが可能なので、そのまま年金手帳として使用できます。
ただし、平成30年3月5日以降は、マイナンバー(個人番号)で公的年金の手続きが可能なので、年金手帳は原則不要となりました。
まとめ
厚生年金よりも共済年金の方が高い理由の職域加算は廃止されました。
しかし、新たに年金払い退職給付という制度が始まったので、結果的には公務員の方の年金が高いという結果は残りました。