2017年1月から始まったセルフメディケーション税制は、医療費控除の特例です。
比較的健康で、医療費控除対象になるほど医者にはかかっていない(医療費を払っていない)人が対象になります。
体の不調などで、自ら薬局やドラッグストアの医薬品を購入することが多い場合、一定の条件を満たせば税金が還付・減額される制度がセルフメディケーション税制です。
セルフメディケーション税制の対象に、予防接種が適応されたり子供の予防接種も対象になったりするのか、その予防接種や健康診断の種類について紹介します。
さらに、セルフメディケーション税制の(医療費控除の特例)確定申告の方法について解説します。
セルフメディケーション予防接種の種類の対象
冒頭でも紹介したセルフメディケーション税制を受けるための一定条件があります。
セルフメディケーション税制の対象となるのは、特定の成分を含む薬局やドラッグストアの医薬品を1年間に12,000円以上購入していることになります。
さらに、そのセルフメディケーション税制の控除を受けるには、その年に健康診断や予防接種等を受けている人が対象となります。
健康診断や予防接種等の詳しい内容
1:保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査
2:市区町村が健康増進事業として行う健康診査
3:予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)
4:勤務先で実施する定期健康診断
5:特定健康診断(メタボ診断のことです)特定保健指導
6:市町村が健康増進事業として実施するがん検診
以上の条件をいずれかを満たしていれば、セルフメディケーション税制を利用することで市販薬に払った料金の一部が所得から控除されます。
条件の中に予防接種という言葉が出てきていますが、予防接種の料金は控除されるのでしょうか?
残念ながら予防接種の料金そのものについての所得控除を受けることはできません。
インフルエンザ等の予防接種を受けている人が対象の市販薬を買った場合の市販薬の料金については所得控除を受けられます。
つまり、セルフメディケーション税制を受けるための「健康に関する一定の取り組みを行った」という証拠となる書類の1つとしてインフルエンザ予防接種があるということに過ぎません。
しっかり健康の維持増進や疾病予防を行っていますよ。という証しですね。
予防接種や健康診断等を受けているにもかかわらず、風邪症状などの病院に行くほどではないけれど、市販薬で治している。
つまり、国の財政を圧迫している医療費を使わず、軽度な身体の不調は自ら手当している人の為の医療費控除の特例です。
セルフメディケーションは予防接種は子供分も対象?
上記で紹介した一定の取り組みとして該当する予防接種はインフルエンザ以外に定期予防接種も対象とされています。
定期予防接種とは、法律に基づいて市町村が実施する予防接種のことで、乳幼児や児童が接種するものが多いです。
ですが、セルフメディケーション税制は“申告者本人”がこれらの取り組みを行うこととなっています。
そのため、子供が定期予防接種を受けていたからといってそれを一定の取り組みとして使うことはできません。
セルフメディケーション税制の確定申告の方法
市販薬の購入費用が12,000円を超えたとしても、確定申告をしないと税金は戻ってきません。
確定申告の一般的な受付期間は2月16日~3月15日となっています。
国税庁のウェブサイトに確定申告作成コーナーがあり、金額等を入力すれば自動的に控除額や還付額が計算されます。
国税庁ホームページの確定申告作成コーナー
確定申告のデータをインターネット上で送る、プリントアウトして郵送することも可能ですよ。
更に、下記の2点を申告書に添付する必要があります。
1:市販薬購入時のレシートや領収書等
①商品名
②金額
③該当商品がセルフメディケーション税制の対象商品である旨
④販売店名
⑤購入日の項目が記載されているもの
2:一定の取り組みを証明する書類である領収書や健康診断書
レシートなどに商品名などの印字がされない場合は、領収書を発行して貰いましょう。
その場合、領収書の場合は原本、健康診断書等はコピーでも可能です。
まとめ
セルフメディケーション税制では、予防接種はセルフメディケーション税制を受けるための前提条件となるということです。
予防接種自体の金額がセルフメディケーション税制の控除対象にはならないということと確定申告方法を解説しました。
確定申告には市販薬を購入したという証明が必要不可欠なので、市販薬を購入した場合は、必ずレシートをとっておくと安心ですね。
詳しい情報を得て、上手にこの制度を使用しましょう。