後期高齢者となった親が入院した際の医療費は、親自身が払うことが一般的です。
でも場合によっては、子供が親の入院費などを支払うこともあると思います。
ただし、確定申告で医療費控除を検討している場合は、医療費全てが対象となるわけではありません。
また医療費控除の条件もしっかり把握しておく必要があります。
後期高齢者の親が入院した場合の医療費控除について解説します。
確定申告の医療費控除は入院時の個室代や寝具代も申告できる?
医療費控除の対象となる主な費用とならない費用は次のとおりです。
医療費控除対象となる主な費用
・診察代・投薬料・注射料
・手術代・検査代・X線代
・通常の部屋代・入院時の通常の食事
・コルセットなどの医療用器具等の代金・賃借料、付添人を頼んだ時の料金(礼金などは対象外)
・分娩費用・出産で入院する際のタクシー代
・公共機関の交通費(バス、電車など)
・病気の治療に使った医薬品の購入費(頭痛の時の頭痛薬は対象、病気予防や健康飲料・栄養剤などは対象外)など。
医療費控除対象とならない主な費用
・寝間着、寝具代・洗面具・医師や看護師へのお礼
・本人の都合により個室に入院した際の差額ベッド費
・他からの出前、外食など。
入院時に自己の都合(大部屋はいやだから、個室にしてほしいとか)により個室を利用した場合は、個室代-大部屋代の差額ベッド料は対象外です。
自分で購入したパジャマ・布団・毛布・枕・タオルケット、病院からレンタルしている病衣などの寝具代も対象外になります。
後期高齢者の入院費の医療費控除の注意点
確定申告は、申告する本人が申告書を作成して押印していれば、配偶者や他の代理人が確定申告(書類提出のみ)することができます。
代理で提出するときに委任状もいりません。
ただし、後期高齢者で自己負担金額が1~2割負担などの場合、入院治療費の医療費を窓口で自己負担分を一旦支払います。
しかし、高額療養費制度として家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならないよう、後日、月ごとの自己負担限度額を超える部分については医療費が返ってきます。(保険者から償還払い)
その償還払い(医療費が返ってくるお金)を差し引いて、医療費控除の申告をしなければなりません。
支払った金額の中から、親の口座などに償還払いされた金額を差し引いて計算すると医療費控除の額まで達さない場合もあるので十分に確認してみてくださいね。
償還払いされた金額を差し引いても医療費を支払っている場合は、医療費控除の対象になりますので確定申告をしましょう。
医療費控除の書類に記入作成した確定申告書は、郵送で提出することや、国税庁のホームページの「確定申告等作成コーナー」から電子申告(e-Tax)でもできます。
作成の指示に従って申告書を作成するので、多忙な方でも自宅で作成し申告できるので、とても便利です。
親の入院費用は娘が払ったら医療費控除はできる?
医療費控除の条件は、控除を受ける本人か本人と生計を一にしている家族(配偶者や親族)となっています。
親を扶養しているとか、娘が仕送りなど実質の生活費の面倒をみているときは、娘であるご自身の確定申告で医療費控除の対象になります。
親が自分の生活をするだけの収入があるとか、娘と生計を共にしていない場合、娘が入院費を払うと親自身の確定申告では医療費控除の対象にはなりません。
また生計を共にしていない親の分を、娘が自分の確定申告で医療費控除の対象にすることはできません。
まとめ
確定申告の医療控除は、扶養している家族・親族などの医療費と条件が決められています。
医療費を払っているからといって、どれもが対象となるわけではないので、申告の際には注意が必要です。